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総合出版ゼミに所属している雑誌編集専攻の2年生が、1年次に執筆した自慢のコラムを紹介します。

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2014年12月29日月曜日

LINEの存在意義・既読について

#コラム #学生
みなさんにもおなじみのLINE機能。実は「江戸時代以前にLINEがあったら」を想像したことがある。LINEニュースで「【速報】浦賀沖に黒い不審な船、幕府調査へ」・「【号外】桜田門外で井伊直弼さんら負傷」・「【速報】本能寺炎上、明智氏による謀反の情報も」などが配信されていたら日本はどうなっていたのか。「まだ、秀吉読んでないから信長死んだの気づいてないな」とかが配信会社に既読が付いていないのがバレていたら面白いなと思うのは自分だけだろうか。
 このLINEの特徴である既読機能。最初のうちは便利だと思われていた機能だが時間が経つにつれ煩わしくなってきた。返信が面倒なときも既読にしてしまうと気づかなかったとも言えないし、なぜか返事をしなければならないという使命感を持たされる。なぜそのような事態に陥っているのか、あらためてLINEの存在意義についても考えなければならない。
 LINEとは、24時間いつでもどこでも無料で好きなだけ通話やメールが楽しめるコミュニケーションアプリ。なぜ流行したのか。理由はひとつ「便利だから」である。この便利さは実際に使用してみないとわからないもので、私も使用する以前は「TwitterやSkypeのパクリだろう」と言っていた。LINEが便利であるのはメッセンジャーや無料通話で友達とダイレクトに繋がれることであるが、それならSkypeでもできる。しかし、LINEには他にはないものを持っている。それは快適性だ。流行の理由は他の同種のツールにはない快適性を得たことで確実にユーザー数を伸ばしたと言っても過言ではないだろう。しかし、私は賛成と反対の二つの考えを持っている。
 昔は手紙→ポケベル→メールで充分だった。しかし、LINEを使うようになってからはとても便利で自由だと思われていたが、実は依存しすぎていて束縛されすぎている。手紙にはポストを見て相手の返事を待つ楽しみ、ポケベルは初めて文章が即座に相手に伝わるという新鮮な時代、メールは絵文字や顔文字を使えるようになり、さらに思い出となる会話を保存することができた。LINEは…なぜか疲れる。特に驚くこともないし、残したい文章だけを保存できないし、相手の返事が待ち遠しいとも特に思うことも無い。携帯が鳴るたびに、「またLINEかよ」という気持ちになる。余計な会話をして喧嘩する人もいるし、新しい犯罪の原因となっている。
 最近はネットでのいじめなどが増えているがLINEでも起きている。専門家の意見は「LINEはネット掲示板よりも知っている顔が多く閉鎖的で、他者に見つかりにくい。特に中学生は使い方を理解しないままクラスや学校全体など広い範囲のグループを作ってしまうので、傍観者が多く、自分でも意識しないうちに観衆や加害者になっているということも容易に起きる。罪の意識が低い割に、被害者の傷つきや動揺が大きい。高校生になると知的の生徒は曖昧な言葉で悪口を書くようになり、証拠がつかみづらく被害者は喧嘩もできない状態になる。」。このようないじめは各地で起きていて、歯止めが利かないくらい問題視されている。学校サイドはルールまで作らなければいけなくなっている。
 ただ、上記とは真逆な意見ももちろんある。LINEはすごく便利で、複数で話す際には一斉に会話ができ、最大100人までできる。また、画面を切り替える行動が最小限ですみ、スタンプやゲームなど複数の機能があり1つのアプリで楽しむことができる。電話も通信料はかかるが、通話料がかからない機能がある。既読が付いていても気にしない人ももちろんいる。特に女子中高生には人気が高い。ある企業が100人にアンケートを取ったところ、使ってないのが全体のたった2%しかいなかった。スタンプだけで会話ができるのが魅力らしい。学校から家が遠くすぐに帰らなければならない人もグループトークを使うことによって会話を楽しみ交友関係を保つことができる。私も使うのは煩わしいが、やっぱり楽だという気持ちは普段から持っている。
 このような様々な意見を聞きLINEを開発した会社はこう発言している「元々LINEの開発されたきっかけは、東日本大震災のとき会長がメールや電話がなかなか通じない状況の際いつでも繋がれるために考え出したアプリであり、また、既読を消すことは今のところ予定は無い。この機能は、LINEが目指す“会話をするようなコミュニケーション”には不可欠な機能であり、“自分の言葉が相手に届いた”という安心感を得るためになくてはならない機能だと考えているから。また、災害の際本人が生存しているかどうかの安否確認としても利用できるメリットがある。」。開発側は純粋な気持ちで開発をしていたのに、問題にしてしまったのは私たちユーザーである。利用者にストレスやプレッシャーを与えないように既読をつけないアプリなどが開発されているが、まずは利用者がこのようなことが起こらないように注意していくのが先決である。
 特に相手にも自分のペースがあると認識しマイペースに楽しむのと、正しい利用方法で操作するのが大人の使い方なのかもしれない。
 機能を変える前に、まずは人間側が変わっていかなければならないだろう。

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